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ROASTER

機械と鮮度の話

この店の焙煎は、機械に任せています。それを恥ずかしいことだと思っていないどころか、この店で一番大事な判断だったと思っています。その理由を書きます。

熱風式焙煎機の機構。上部のガラス球にチャフが集まる。

人の調子は、揺れる

焙煎職人の仕事は素晴らしいものです。ただ、人の集中は日によって揺れます。体調、気温、その日の何杯目か。名人の火曜日と、名人の金曜日は、厳密には同じ豆を焼きません。私たちは修理の仕事を長くやってきて、一つの結論を持っています——品質は、人の頑張りではなく、仕組みに宿らせるものだということです。測る。記録する。同じ条件を、何度でも再現する。その考え方を、コーヒーにそのまま持ち込みました。

熱風式という選択

使っている焙煎機は、京都の機械メーカーが作る熱風式です。熱した空気で豆を浮かせながら焼くため、釜肌に触れて焦げるということが起きません。熱量・風量・時間はすべてプログラムで制御され、浅煎りから深煎りまで、登録したプロファイル通りに何度でも同じに焼けます。

焙煎中に出る薄皮(チャフ)は、熱風の渦が自動で分離してガラス球に集めます。チャフは煙と雑味の原因です。それが釜の中に残らないから、煙が少なく、味が濁らず、そして街なかの建物の中で焼き続けることができます。

10年、この機械で焼いてきました

この焙煎機を手に入れたのは、店を始めるずっと前のことです。まだこの機械がほとんど知られていなかった頃に出会い、以来10年、同じ場所で焼き続けてきました。だから知っています——どの豆をどのプロファイルで焼くと何が起きるか。夏と冬で何が変わるか。機械に任せるというのは、何も知らずにボタンを押すことではありません。知り尽くした上で、実行だけを機械に渡すということです。

店のブレンドは、この焙煎機を設計した本人に組んでもらいました。機械を作った人が、その機械のために豆を選ぶ。これ以上ない組み合わせだと思っています。

鮮度がすべて

焙煎した豆の香りは、日ごとに抜けていきます。焼いて数日の豆と、焼いて数ヶ月の豆は、名前が同じでも別の飲み物です。だからこの店は在庫を焼きません。注文を受けてから焼きます。店頭なら約15分。通販なら焙煎した当日〜翌日に発送します。速く焼ける機械と、ブレない仕組みがあるから、この売り方ができます。

正直の決まりごと

目の前で焼きます

2階で豆をお選びいただいた方には、その場で焼いてお渡しします。豆と焙煎度を選んで、約15分。ガラスの向こうで豆が色づいていくのを、一杯飲みながら待つ時間ごと、この店の商品だと思っています。

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